|
●ふるさとに開いた在宅介護支援事業
明治時代は港として栄え、現在は観光目的に多くの人が訪れる三角西港。そのすぐ近くに2006年「地域ケアプラン研究所・海」がオープンしました。木づくりの懐かしい雰囲気が漂う建物は、旅館を改装したもの。代表を務める大石さんが、ふるさとに開所した念願の在宅介護支援の事業所です。大石さんを中心に、デイサービス、ケアプランを行う5人のスタッフが利用者のお世話をしています。
●高齢者の理想の暮らしとは
大石さんは熊本市と西合志町(現合志市)で永年看護師として勤務していました。副院長も務めるほど厚い信頼を得ていましたが53歳で退職。
「55歳になったらふるさとに帰って、思うことをしたいという夢がありました」と大石さんは語ります。その夢とは地域に根ざした介護事業。長く多くの患者さんと接する中、地域でできるだけ自立して暮らしていくことが理想の人生の送り方ではないかと思うようになったそうです。そこで2006年3月に出身地の三角で念願の有限会社をスタート。資金は大石さんご自身の貯蓄と借金でした。
「高額な高齢者マンションで暮らす事を理想とする方もいるでしょうが、お金が無くてもそれなりに地域で暮らそうと思えば暮らせる、それを実感してもらいたい」というのが開業によせる大石さんの思いです。そんな大石さんの考えに賛同する看護学校時代の同級生が、現在信頼のおけるスタッフとして共に毎日汗を流しています。
●人生の最後を地域の人が看取る
妻を亡くして家に閉じこもっていた方が、大石さんの誘いで絵筆を握り、ほどなく作品を事業所の壁に飾られるまでになりました。また、西港を散歩していたら近所の人が声をかけてきたり、釣りをしようとしたら理髪店の人が見かけて針に餌をつけたりしてくれるのは日常の風景です。そんな地域の人との"自然な"触れあいを生み出し、コーディネートしていくのが大石さんたちの仕事であり目的だと言います。今後は「人生の最後を、ここで地域の人たちが看取るということがあってもいい。また、離れて暮らすご家族が、あそこなら本人も喜ぶだろうと言ってもらえる、そんな地域の事業所にしたいですね」と将来の「海」のあり方を語ってくれました。
|