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平成14年度男女共同参画社会づくりに関する調査

 平成14年度男女共同参画社会調査研究事業として実施した、ドメスティック・バイオレンス(DV)、セクシュアル・ハラスメント、ストーカー行為等の男女間における暴力についての意識・実態調査結果は、下記のとおりでした。
 なお、男女間の暴力に焦点を当てた調査は、本県では今回が初めてとなります。

1 調査目的 

ドメスティック・バイオレンス、セクシュアル・ハラスメント、ストーカー行為等の男女間における暴力は、個人の人権を侵害する問題であり、男女共同参画社会を形成していくうえで克服すべき重要な課題となっている。
 近年、いわゆるDV防止法や、雇用機会均等法、ストーカー規制法等、これらの行為の防止や規制を目的とした法律も整備され、県としても、被害防止や被害者支援に向けての取り組みを一層強化する必要がある。
 このため、県内におけるこうした暴力の実態や人々の意識を把握することにより、問題点や課題を整理し、今後の施策に役立てるものとする。

2 調査方法等 

 1)対象  : 県内在住の20歳以上男女4,000人(選挙人名簿から無作為抽出)
 2)調査方法: 郵送により調査票を配布・回収
 3)調査時期: 平成15年1月
4)回収率 : 51.7%
(有効回答数 男性902、女性1,140、性別不明25、計2,067)
 5)備考  : 集計結果について、熊本学園大学社会福祉学部篠崎正美教授に分析を依頼

3 調査項目

1)ジェンダー(社会的・文化的に形成された性別)意識
2)男女間における暴力に関する法律・条例等の認知状況
3)男女間における暴力に関する意識と体験
4)暴力被害対策について
5)その他自由意見

4 調査結果概要

1) ジェンダー(社会的・文化的に形成された性別)意識
〜 性別役割分担など3項目について、どう思うかを質問

  ⇒ 目立つ年代間の意識差。固定的な性別役割分担意識は徐々にうすれる傾向〜
・「夫は仕事を、妻は家事・育児を分担するのがよい」「家庭での重要な事柄については、夫が決定したほうがよい」という考え方については、いずれも否定意見が肯定意見を上回った。
・いずれの項目についても、若年齢層において否定的、高年齢層において肯定的という傾向が見られた。

2)男女間における暴力に関する法律・条例等の認知状況
  〜近年整備された各種法令についての認知度を調査

  ⇒ DV関連の法制度の浸透が課題〜
・「ストーカー規制法」や、職場のセクシュアル・ハラスメントに関する事業主の配慮義務を規定した「男女雇用機会均等法」の改正については、認知度は50%を超えた。
・「DV防止法」の認知度は約40%、「DV防止法」により設置された「配偶者暴力相談支援センター」や、男女間の暴力行為に関する「熊本県男女共同参画推進条例の禁止規定」については、それぞれ10%、20%に留まり、特に、若年層の認知度が低かった。

3)男女間における暴力に関する意識と体験
【セクシュアル・ハラスメント】
〜9つの具体的行為について、許容度及び被害・加害体験を調査
  ⇒ 多い女性の被害体験、加害側と被害側の認識にずれも〜
・すべての項目について、「どんな場合でも許されない」という意見が過半数であった。
・「接待や宴席で、酌やデュエット、ダンスを強要する」、「さわる、抱きつく」といった行為では、女性の約4人に1人が「されたことがある」と回答。一方、男性の加害体験は、「酌やデュエット、ダンスの強要」が5%、「さわる、抱きつく」は4%という数字であった。
・男性の被害がもっとも多かった行為は、「『結婚はまだ?』『子どもはまだ?』としつこく聞く」で、15%が「されたことがある」と回答。
・被害を受けた人の約30%が、被害により何らかの身体的・精神的な影響があった、と回答。また、被害について誰かに相談したという人は、35%に留まっている。
【DV】
〜4分類(「身体への攻撃」など)18の具体的行為について、許容度及び被害・加害体験を調査
  ⇒ 女性の1割が身体への攻撃被害、2割がおどしの被害を体験
  ⇒ 被害を受けた人の半数が「我慢している」〜
・すべての項目について、「どんな場合でも許されない」という意見が過半数であった。
・各暴力行為に、ひとつでも「されたことがある」と答えた人(実数)の割合は、男性が13%、女性が30%であった。
・女性の被害体験は、「威嚇・おどし」にあたる行為が20%を超え、「精神的に追いつめること」が18%、「身体への攻撃」「性に関すること」がそれぞれ11%であった。
・男性の被害体験は、「精神的に追いつめること」が8%、「威嚇・おどし」が6%、「身体への攻撃」が2%、「性に関すること」が1%であった。
・女性の加害体験は、「精神的に追いつめること」が10%、「威嚇・おどし」が5%、「身体への攻撃」が2%、「性に関すること」が1%であった。
・男性の加害体験は、「威嚇・おどし」が20%を超え、「精神的に追いつめること」が15%、「身体への攻撃」が11%、「性に関すること」が5%であった。
・「身体への攻撃」「威嚇・おどし」の行為を受けたことがある人に、そのときどうしたかを尋ねると、「我慢している」という回答が50%を超え、また、そうした状況について、誰かに相談したという人は、32%に留まっている。
【ストーカー行為】
〜8つの具体的行為について、被害体験を調査
  ⇒ 全体の12%に被害体験〜
・女性の15%、男性の9%と、男女ともに1割前後の人が被害体験があると回答。
・内容としては、「無言電話やいやがらせの連続電話等をよこす」「中傷やでたらめな噂を言いふらす」が多かった。
【その他の暴力行為】
〜痴漢、強制わいせつ行為について、被害体験を調査
  ⇒ 女性の3割が痴漢被害を体験〜
・痴漢被害の経験が「ある」と回答した人は、男性が1%に対して、女性が31%で、特に20代女性は55%と半数を超えていた。
・いやがっているのに性的な行為を強要されたことがあるかについて、「ある」と回答した人は、男性が1%に対して、女性は10%であった。

4)暴力被害対策について
〜各相談機関の認知度、被害防止対策・被害者支援策の必要性を調査
  ⇒ 求められる相談体制の強化〜
・暴力被害の相談先・支援機関としては、警察の認知度が高く、県婦人相談所(現・女性相談センター)や人権擁護委員も比較的よく知られているが、「知らない」と回答した人も13%見られた。
・被害防止対策及び被害者支援策では、「加害者に対する取締りや罰則の強化」「被害者のための相談・カウンセリング窓口の充実」「被害者のための避難場所の確保」「被害者保護対策の強化」等が必要であるという意見が多かった。

5)その他自由意見
〜男女間の暴力行為や男女共同参画に関して、500を超える意見が寄せられた〜
・自覚のないDV被害者に早く気づかせるべき
・セクシュアル・ハラスメントについては、加害者の自覚が乏しい
・日常的にセクハラス行為が行われていて、感覚が麻痺してしまった
・気軽に相談できる体制の充実が必要
・相談窓口を知らない人が多いので、もっと周知やPRを図るべき
・採用や昇進の際の男女差別がまだ残っている
・女性の「自立」が重要な鍵
・メディアの影響が大きい
・男女共同参画に関して、子どものときからの教育の充実が重要
・一人でも多くの人に啓発を行ってほしいなど

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